都心の新築高層マンションを購入することにしたTさん。以前からアンティークにも興味があったというTさんは、コマチ家具の実例が掲載されている雑誌を見つけ、入居前に家具を揃えようとお店に行ってみたそうです。最初は家具をいくつか買うだけのつもりでしたが、「インテリアデザイナーの田野口さんのお話をうかがっていたら、家具を置くだけでなく、きちんとコーディネートしないと素敵にならないということがわかりました。それで、窓回りのデザインの含めたコーディネートを依頼したのです」。部屋はステュディオタイプと呼ばれる、いわゆるワンルームなので、「食事・くつろぎ・睡眠」のためのコーナーを、家具でゾーン分けする必要がありました。リフォームはしないので、キッチンは工夫をこらしたファブリック使いで目隠し。アンティーク家具を使いながらも、都会の夜景に似合うスタイリッシュな空間デザインに仕上げました。

幅4mほどもある大きな窓が特徴の部屋。この窓からの景色を活かすため、ウインドートリートメントは、フラットなスクリーンにしました。ご希望の大画面テレビをはじめ、テーブル、ソファ、ミラーバックサイドボード、さらにガラスキャビネットを2つも配置したプロならではの家具のコーディネートにより、コンパクトでも、美しさと居心地よさ、収納もしっかり確保された部屋に仕上がりました。
![]() ![]() |
すっきりとシンプルな部屋は、直線的でモダンな印象。 |
![]() |
![]() |
10畳ほどのコンパクトな空間に、食べる場所とくつろぐ場所をゾーンニング。大きなミラーバックサイドボードは、鏡の効果で部屋を広々と見せてくれます。窓回りは、箱ひだのバランスにフラットなスクリーンを組み合わせたすっきりとしたデザインで、窓からのパノラマを楽しめるようにしました。 |
![]() |

「夕刻からのこの美しい夜景も、デザインの一部として取り込みたかった」というインテリアデザイナー。Tさんがお好きだというワインを楽しめる、ホテルのバーのような空間です。
![]() 「お部屋がコンパクトだからといって小さな家具をいくつも置くと、散漫な印象になって部屋の見せ場がつくれません」とインテリアデザイナー。テーブルの背景にもなっている、ウォールナット材のアンティークミラーバックサイドボードは、部屋に品格をもたらすと同時に収納も確保できます。 |
![]() マホガニー材のアンティークガラスキャビネットには、Tさんがコレクションしている世界のカレイドスコープ(万華鏡)をディスプレイ。 |
![]() ![]() |
ワンルームタイプの間取りなので、キッチンもオープンでした。リフォームせずに、このキッチンを隠したいというのがTさんのご要望でした。 |
![]() |
![]() ![]() フラットな布とカーテンを組み合わせ、天井の複雑な梁の形状をうまく隠しながら、キッチンも目隠し。普段はカーテンをマグネット式のタッセルでまとめて。 |
![]() キッチンから見えるミラーバックサイドボード。美しい細工、ウォールナット材の質感、本物のアンティークだからこそ感じられる存在感が毎日の暮らしのシーンの中に。 |

美しい夜景をひとりじめにできるリビング。景色がなるべく大きく見えるように、スクリーンをオープンにする際は、片側に寄せるスタイルに仕上げました。マホガニー材のアンティークブックケースの上には、大型テレビもすっきりおさまっています。

ワンルームなので、リビング・ダイニングと寝室の間には壁もドアもありません。そのため家具と照明でしっかりとゾーニングし、連続しながらも独立性のある落ち着いた空間に仕上げるのが課題でした。リビング・ダイニングが濃いブルーやブラウンを使っているのに対して、ベッドコーナーは淡い色のファブリックでまとめ、窓回りにもやわらかい曲線を持つドレープをかけて全体的にやさしい雰囲気にコーディネートしました。
![]() ![]() ワンルームとはいえ、少し奥まった場所に位置する寝室コーナー。 |
![]() |
![]() ![]() |
マホガニー材のアンティークブックケースやベッドを置いたコーナー。淡いトーンのファブリックとやさしい明かりのアンティーク照明で、ほっとくつろげる空間に。 |
![]() ![]() コーナーにはベランダへの出入口となるサッシがあります。 |
![]() ![]() |
|
リビング・ダイニングが直線的でフラットなウインドートリートメントなのに対して、ベッドコーナーではドレープたっぷりのバランスをつけたカーテンをデザイン。布のやわかさを感じられるデザインが、やすらぎの空間にぴったり。 |